この記事は2020年3月1日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。
丸亀市にもある「二段停止線」の今後は・・・【追記あり】
皆さん、旅行などで県外へ行って、レンタカーを借りて運転する時、見慣れない標識や道路標示があると戸惑いますよね?
実は私、yopi@まるつーは、昨年岐阜県から香川県に引っ越してきたのですが、香川の道路を運転中、初見で「何これ!!」とビックリした道路標示があります。
それが、これ。
もちろん香川県民の皆さんは、この「二輪」と書かれた線に見覚え、ありますよね?
この道路標示は、二輪車用の停止線で「二段停止線」と呼ぶそうです。岐阜県では一度も見たことがありません。存在しない県は他にもあるそうです!そしてさらに、
- 香川県が全国でダントツに二段停止線の数が多い
- 二段停止線は消されていってる
という噂を聞き、気になったので調べてみました!
そもそも二段停止線って何のためにあるの?
「二段停止線」とは指示標識の一つで、信号のある交差点に停止線を設置する際、二輪と四輪の停止線を数メートル離して設置してある停止線のことです。二輪の停止線を四輪の停止線より前にすることで、バイクや自転車の存在を分かりやすくして大型トラックが左折する際などに二輪車が巻き込まれる事故を防止することが目的です。
引用:くるまのニュース
つまり、交差点での左折時に二輪車の存在を明らかにし、二輪車が大型車に巻き込まれて事故に遭うのを防ぐために設けられた線なのです。
設置のきっかけは?
では、なぜ二段停止線が設けられるようになったんでしょう?
香川県警察本部交通安全規制課にお聞きしたところ、「経緯は詳しくはわからないが、20年ほど前に、二輪車が車に巻き込まれる事故が多発した事がきっかけなのではないか」とのこと。
では、いつから導入が始まったのか。警察庁交通企画課に問い合わせたところ、二段停止線は平成四年総理府令「建設省令第一号発令」にて、上記の通り、大型自動車が交差点左折時に二輪車等を巻き込む形態での交通事故を防止することを目的に全国で導入が始まったそうです。
香川県は二段停止線の数が全国一位?
警察庁交通局交通規制課企画係に問い合わせてみたところ、香川県が全国1位かどうかについては回答を得られませんでしたが、平成30年度末の二段停止線設置数は、全国が3252ヵ所なのに対し、香川県が732ヵ所なのだそうです。全国の約23%の二段停止線が香川県にあるとは!割合からすると、香川が1位と考えても良さそうな気はします。
二段停止線が消されていってる?
香川県警察本部交通安全規制課の方によると、これは事実だそうです。二段停止線はいずれ絶滅します。理由は以下の2点。
- 二輪車が車の横をすり抜けて前に出ようとするので危ないから
- 交差点を縮小するため
どういうことかというと、
1は、交差点で信号待ちをする際に二輪車の停止線が四輪車の停止線より前にあることで、二輪車が四輪車の横をすり抜けることを容認してしまっているような状況を作ってしまっているため、二輪車と四輪車の接触事故が発生しやすくなり、危険だということです。(※なお、二輪車のすり抜け行為そのものは法に触れるものではありませんが、車両の左側を追い抜いたり、右折待ち車両の右側を追い越したり、ジグザグに割り込んだりした場合は、違反とみなされる場合があります)
2は、二段停止線を設置すると交差点の構造が大きくなり、渋滞が発生しやすくなってしまうそうなので、二段停止線を廃止して交差点をコンパクトにしていく狙いがあるようです。
なお、警察庁の調べでは、二段停止線が全国で最も多く設置されていた年は、平成8年度末で9070ヵ所とのこと。全国的には、そこをピークに減り始めているようですね。香川県のピークがいつなのかについては、「不明」との回答でした。
見に行ってみた。
そこで、実際に「ゆめタウン丸亀」の北西角にある交差点(以下「六郷上橋交差点」)を見に行ってきました。
はい、これです。六郷上橋交差点の南北を通る市道中津田村線にありました。
一方、東西を通る県道205号多度津丸亀線を見てみると、二段停止線が消された跡がありました。
そして消された上には新しく停止線が引かれていました。
なぜ一方だけ残されているの?
ではなぜ県道側だけ消され、市道側は残されているのかでしょうか?不思議に思い、再度香川県警察本部交通安全規制課に聞いてみました。すると、「明確なことはわからないが、県道205号線は片側一車線なので、二輪車が車の横をすり抜けて前に出ていくことが難しいと考え、二段停止線が消されたのではないか」とのことです。
現在、二段停止線は交通安全規制課が業務の一環として消していっているそうです(交差点改良工事のついでなど)。これから消す予定の交差点の計画等も聞いてみましたが、残念ながらそこまでのことはわかりませんでした。
これからどうなる?
ということで、現在はまだ県内で頻繁に目にしますが、二段停止線はこれからゆっくりと無くなっていきます。記録に残しておきたい方は、私みたいに今のうちに写真に収めて下さいね。
【以下、2020年3月1日追記】
「ゆめタウン丸亀」前の六郷上橋交差点の南北を通る市道中津田村線にあった二段停止線が早くも消されたという噂を聞き、見に行ってみました。
取材当時と現在を比較
取材当時の2019年12月21日には、「ゆめタウン丸亀」前の六郷上橋交差点の東西を通る県道205号多度津丸亀線側の二段停止線は消されていましたが、南北を通る市道中津田村線は残っていました。
こちらが、2019年12月21日当時の市道中津田村線の二段停止線です。くっきりと残っていました。
そしてこちらが同じ場所での2020年2月11日の様子。消されています!!
この道をよく利用しているらしいY口@まるつーが言うには、「いまだに二段停止線があると勘違いしてるのか、信号待ちをしている車と車の間を縫うように走行して先頭に躍り出ようとする二輪車が相当数いて危ない」のだそうです。前に行っても横断歩道があるだけですよ。
二段停止線は着実に消されている
ということで、香川県警察本部交通安全規制課の方で業務の一環として消していっているということは以前お伝えしましたが、まさかこんなにも早く、その光景を目の当たりにするとは思いませんでした。二段停止線はそのうち確実に消滅するので、記録に残したい方は本当に今のうちに残しておいて下さい!