昼間でも薄暗い山道を何かを探しながら彷徨い歩くまるつー編集部の二人。途中に現れた廃墟になったどこかの会社の社員寮は静まり返り、道沿いには白っぽい仮面を被ったお地蔵さん4体が並び隣にはなぜか「くまのプーさんのぬいぐるみ」が置かれている。不気味さでは他に類を見ない光景でしたが、なにか見えてはいけないものが写りそうな気がしたので臆病者のワタクシはシャッターポタンを押せませんでした。気になる方は直接現地で拝んでください。
明らかによそ者が足を踏み入れてはいけない雰囲気を感じながら奥へと進むが、最奥にある薄気味悪い建物(失礼すぎる!)を見て「もう無理!これ以上はやめときましょう!」気の弱いワタクシはつま先が半分帰路に向かった状態です。
来た道を普段より2倍くらいの早足で引き返し、一本筋違いの明るい拓けた道に出ると気持ちにも余裕が現れてどこで遠くで流れてる水の音までが聞こえるようになりました。
そうなると視野も広がり眼の前に怪しげなトンネルが出現。
探し求めていたのはこのトンネルです。すべて石で作られた県内最古のアーチ橋らしく、ここだけ時が止まっているような風景です。通過距離はかなり短いのですが入るにはなかなか勇気がいります。さっきまでの不気味な廃墟やお地蔵さんが脳裏に残ってるので。
トンネルをくぐる時は天井が落ちてこないのかなと少しドキドキしますが、石だけを積み上げてアーチを作るってすごい技術ですよね。トンネルの先には別世界が広がているような気がしてワクワクが止まらない。いや、距離は短いんですけどね。ちなみにこういう風景を例えるときって決まって「ジブリの世界観」て言いません?
トンネルを抜けた反対側は植物が絡まり、期待していた通りのジブリ感が強まってきましたよ。奥からネコバスが走ってきそうな雰囲気ですね。でもこれだけ茂った雑草を誰が管理するんだろうと思ったんですが「宇多津町ですかね」って根拠もないことを思って自己解決してました(笑)
出口(入口かもしれませんが)付近に説明書きがあったんですが、旧讃岐鉄道の数少ない構造物であり登録有形文化財に指定されてるんですね。全国的にも珍しい鉄道建造物らしく、地元民からはその形から「めがね」や「石のトンネル」と呼ばれているそうです。これだけ歴史と雰囲気のあるトンネルを見れて恐怖に慄きながらも探し回ったかいがありました。