皆さんは「生子山公園」を知ってますか?知る知らないの前にまず読み方がわかりにくいかもしれませんが、最初は頭の中で「なまこやまこうえん」と、見たままで読んでましたが正解は「ううこやまこうえん」だそうです。個人的には「しょうじさん」もありかなと思ってましたが予想外の呼び名でした。
桜の名所。公園には展望台もあり、絶景の眺望は四季を通じて見ごたえがあります。また、山姥伝説と足跡の残る岩があるほか二十四輩さんと呼ばれる石仏が祭られています。
引用元:うどん県旅ネット公式サイトより
桜咲く、眺望良し、ついでに山姥(やまうば)伝説からその足跡あり、よくわかりませんが石仏が祭られてる、情報量が多すぎて何が何やらわかりませんがとにかく好奇心をくすぐる公園なのはたしかなので行ってみました!
到着してまず出迎えてくれたのは立派な鐘です。この時点でちょっと不思議に感じたのは、周りを見渡してもお寺らしき施設は見当たらないんですよ。なぜ鐘だけポツンと!? こういうものを見ると鳴らしてみたい衝動に駆られますが立ち入り禁止の三角コーンを見て今回は諦めました。
まだ確認したい案件もたくさんありますし敷地全体がかなり広く、なるべく無駄な動きを減らしてメインの山姥伝説にたどり着きたいので公園の案内板を見にいくと・・・
ちょっ、全然見えてないやん!わかったのは現在地のみ(汗)・・・この植物の茂り具合も伝説の一部に追加しておきますか。
後を振り向くとお寺はないけど浄土真宗の開祖である親鸞さんの像がありました。この公園に親鸞聖人にまつわる場所があるのでしょうか?
手前には手と心を清めるものでしょうか、洗心と書いてある年月の経ってそうな石造りの受けと真新しい蛇口のギャップがすごく気になります。蛇口をひねると「シュワー」っと吸い上げるような音がして水が出てくるのかと思ったけど出てこないという行為を2、3回繰り返してもどかしい時間を1分ほど過ごしました・・・
鐘のある場所からは二手に分かれているのでとりあえずこちらの道から詮索してみます。奥に伸びた1本道ですがかなり距離ありそうだし、周りには長い間使われてなさそうな荒れたテニスコート、昼間でもちょっと薄暗いお手洗いなどホラー要素も随所にあって訪問者を飽きさせないようになってます。
2分ほど歩くと少し開けた場所に到着。思ってたより距離短かったです(笑) ベンチや屋根のある休憩所が見えてここでようやく公園ぽいところに到着できました!
とは言っても遊具などは全然見当たらないし、あるのは公園とは無縁の神様を祭ってそうな祠や国土地理院が設置した三角点、長い階段と鳥居、そしてさっきと同様の蛇口と受けの年代が合っていない手洗い場だけ。
昨今の分煙義務化のあおりをうけて灰皿も端に追いやられています。
「こどものあそびば」と書かれた青いベンチをみて思わず「どこで子供あそぶねん!」と突っ込んでしまいましたよ。
階段を下りて鳥居をくぐると「戦没者慰霊碑」が建っていました。中でも一際目についたのは敷地内の一角にあった直径1メートルほどの用途不明の鉄球です!野球のボールのような縫い目も見えますが、これを投げるには身長が20メートルくらい必要ですよ。まさか山姥が使用していたボールなのか!? 身長20メートルの山姥はここにはいなさそうなので元来た道を引き返してもう1本の道に向かいます。
鐘のところに戻ってもう1本の道に向かうと先ほどよりも木々が鬱蒼としている下り坂が現れました。よく見ると坂道の右側に何か並んでるような!? 木の影になっていてはっきりとは見えませんが等間隔で石が並んでるように見えますね。
明らかに由緒のありそうな石仏が等間隔で並んでました。
一応案内板はありますが、見事なまでに朽ちてて読めない・・・「県外の住所」「番号」と「二十四輩」見える要素だけで解読してみると、どうやら24の石仏が並んでいるようです(簡単すぎ!)。
後ほど調べてみると「二十四輩さん」とは、親鸞聖人のお弟子さんのようですね。
ここで冷気が!一歩下り坂に足を踏みいれると「涼しい!」と思わず声がでるくらい急に気温が1~2度落ちたようにひんやりとした空気が漂ってきました。この先の空間が現実とは別の存在ですよと言わんばかりの雰囲気です。この先になにかあると期待を込めて進むと・・・
はぁ〜(心のため息)
ひんやりした静かな竹林と寺院が急に現れて思わず心の中でため息がでました。予期しないことが起きた時って意外と声が出ないもんです。
この空間だけ京都にでも来たような雰囲気で他の場所とはかなりかけ離れてます。思わず三都物語を口ずさんでますし(笑)
刃物でスパッと切られたような岩肌の上に2畳くらいの小さな建物があり、裏側の渡り廊下で仏像のある離れに繋がっています。全体的に日本庭園的な作りなんですが、どこか異国の情緒も感じる不思議な雰囲気です。
メインの建物とは別の方向にシンプルな作りの建物があり、近づくと「阿弥陀如来」「光三尊」とありがたそうな名前が並んでいます。どうやら神聖な建物のようです。最初はお手洗いかなと思っちゃったのは秘密にしておきましょう・・・ところで、ポストがありますが阿弥陀如来様宛ての手紙が届くのでしょうか?
そういえば何か忘れてない?
綾川の小京都にすっかり心を奪われてましたが、山姥伝説を探さないと(笑)
ただ小京都といっても静かなところで誰もいないので、恐怖心は残したまま恐る恐る奥に進むと竹に囲まれた坂道と小さな看板を発見!
窪みの中を見ると足跡が!やっぱり大きい!脳内の身長20メートルの山姥と足跡とされる岩のサイズが合致した瞬間です!確かに土に埋まった平べったい大きな岩と周りに指を現したような5つの小さな岩が一体になって大きな足に見えるのですが・・・
すぐ横にある説明書きで確認すると、どうやら岩全体を見るのではなく岩にある数個の小さな窪みを足跡としてるようですね。ちょっとわかりにくいですが窪みを見るとおそらく足の大きさは普通の人間サイズかそれより小さいくらいかと。20メートルの山姥伝説に終止符がうたれました(笑)
いや~想像の上をいく公園でした。長年香川に住んでいてもまだまだ知らないことの方が多いと改めて感じました。