須賀の金比羅さん、正式には「金刀比羅神社」。かつて北前船の航路を活用して行われていた金毘羅参詣において、旅のスタート地点のひとつとして知られています。創建の正確な時期は不明ですが、少なくとも多度津藩陣屋が築かれた江戸時代にはすでに存在していたとされる歴史ある神社で、境内には10基の金毘羅燈籠が移設され、静かな雰囲気の中にも往時のにぎわいを思わせる風情が漂っています。「金刀比羅神社」と「金毘羅燈籠群」は文化庁が認定する「日本遺産」にも登録されてます。
また、琴平町にある本宮の例大祭に使われる「汐汲藻刈神事」の場としても大切な役割を担っていて、神事のために塩水と海藻をここ多度津で採取してるんだそうです。
この投稿をInstagramで見る
そんな由緒ある神社の前をふらっと車で通ると境内に咲き誇る八重桜を発見したので足を止めて見に行ってきました。
近くで見るとやっぱり見事!ふわふわの花がもこもこと重なり合い、ソメイヨシノや河津桜とは違った美しさがありますよね。周囲を囲う石垣や燈籠と桜が「これぞ“日本の春”!」って感じでスマホのシャッターが止まりません(笑)
「金刀比羅神社」は、10区自治会が管理してるそうで、燈籠以外に境内には赤い鳥居、滑り台もありました。
ふと目に留まった通りからも見える一本の大きな桜の木。立派だな~なんて思ってたら、下の方に目をやると木の根元には貼り紙とロープがありました。なんとこの桜が伐採されることが記されてありました。
この桜、長年地域に愛されてきた一方で、その根っこが周囲にめぐらされてる垣「玉垣」を押し上げ、倒壊の危険が出てきたそうです。加えて、木自体の腐食や、枝が鳥居や灯籠などに接触するリスクもあって、神社の宮司さんや自治会の方々が何度も話し合った末、伐採が決まったとのことです。
伐採は、今年の見ごろを終えてからとのことなので、今咲いてる桜の花が散ってしまえばもう見られなくなるんですね・・・
桜の木は去っても、その記憶は歴史ある金比羅神社の春とともに、ちゃんと残っていくのではないでしょうか。
◇ 金刀比羅神社(須賀の金比羅さん)
所在地:〒764-0005 香川県仲多度郡多度津町大通り2-34